多くの人がコピー商品の購入を検討する際に、犯罪にあたるのではないかと不安になっているのではないでしょうか。
結論から言うと個人で使用するための購入は、現行の法律では犯罪にはあたりません。
しかしその他の理由での使用や輸入を行うと、犯罪行為になる可能性があるので注意が必要です。
商標法や関税法を侵害した場合、下記のような重い罰則が科せられることとなります。
商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。) は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(商標法第78条)引用:e-gov 法令検索
(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(関税法第 109 条第2項 )引用:e-gov 法令検索
管理人はもちろん個人で使用する物以外は購入していません。
なので警察に捕まるなどの心配は今のところしていませんが、初めて購入する方は気になるところだと思います。
なので今回はこの点について分かりやすく簡単に説明します。
商標法と関税法
模倣品(コピー商品)を個人的に使用することはなぜ犯罪にはならないのでしょうか。
日本の法律では商標法と関税法という法律が定められています。
冒頭でも書きましたが、これらの法律に違反すると非常に重たい罰則が科せられますのでしっかり理解しておかないといけません。
商標法の方から見てみましょう。
商標法において「商標」とは、「業として商品を生産、証明又は譲渡する者」が、「そ の商品について使用する」「標章」を指すものとされています。
海外で生産された模倣品(コピー商品)の個人輸入に限定して解釈すれば、
輸入された模倣品にブランドの標章がついていたとしても、その商品を商売に利用したり、
他人に譲渡する目的で使用しなければ、上記の定義には該当しないということになります。
つまり自分自身が使用するために模倣品を輸入、使用しても商標には該当せず、違法行為にはならないということです。
では、輸入行為に係る関税法の方ではどうでしょうか?
輸入してはならない貨物
九 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品(関税法69条の11第1項)引用:e-gov 法令検索
関税法でもやはり、「商標権を侵害する物品」を輸入してはならないと規定されています。
ここで言う商標も商標法と同じ規定となりますので、個人使用の場合には「商標権を侵害する物品」には当てはまりません。
したがって、個人での輸入についても違法とはならないということです。
輸入後のコピー商品の使用について
個人で使用して楽しむ分には違法性はないということが分かりました。
ですが、使用の範囲が個人使用以外に及ぶとたちまち犯罪行為となり、場合によっては逮捕、起訴される可能性もあります。
購入した物を転売する事や、質屋に販売する事で商標法の「業として」の箇所に触れてしまいます。
「初めは自分で使おうと思い、少し使用したが不要になったのでフリマアプリに出品してしまった。」という場合もアウトです。
また、フリマアプリや中古品買取り店で偽物と知っていながら正規品と偽り出品、売却すると詐欺罪になります。
中古品買取り店などで店員が気付いて買取りを拒否されても詐欺未遂となり犯罪です。
コピー商品を購入する際は必ず個人で使用する場合のみ購入するようにしましょう。
税関検査について
コピー商品を購入し、海外から日本へ商品が送られて来ると、国の行政機関である税関で検査されることとなります。
主な業務は税金の徴収や、密輸・輸入禁止物の取締りで、コピー品の輸入差し止めもここで行われます。
問題なく送られて来ることが多いのですが、荷物の開封検査により商品が差し止めされるケースがあります。
また、同じ商品をいくつも購入したりすると、販売目的で購入したのではないかと疑われる可能性があります。
その場合は、前述の商標法違反に該当することとなるので、注意してください。
税関については別の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
商標の扱いが受取人の属性によって変わってしまうのでややこしいのですが、
個人での使用に限り、現行の法律では商標法関税法ともに抵触することはありません。
しかし、フリマアプリやオークションを利用して第三者にコピー商品を譲渡した場合は違法行為にあたり、捜査が及ぶと罪に問われる可能性があります。
本物と偽って販売した場合は商標法違反に加えて、詐欺罪が適用されることもあるので
くれぐれも転売などはせずに、自分だけで楽しみましょう。
また、これらの法律については国会でも度々議論されていて、近年中には法改正が行われることが予想されています。
この点については当ブログでも引き続き注視していきたいと思います。